秋の奉納 小倉洋一写真展案内 夏の奉納
秩父・浦山の獅子舞
浦山は、秩父市街から車で30分くらいの山間にあります。浦山の獅子舞は、江戸時代享禄年間に開山された昌安寺に伝承されているもので、天文7年に大日堂を建立し、そこに大日如来を奉安したときに始まると伝えられ、300年以上の歴史を持っています。獅子舞は、10月下旬の大日様の縁日と8月16日の川施餓鬼に奉納され、大日様の縁日には、毎年、数千人の参拝者が訪れます。
浦山も少しずつ過疎化がすすんでいますが、獅子舞を守るために、次の世代への継承が熱心にとりくまれています。
浦山を撮りつづけて
私が浦山の獅子舞を初めて撮ったのは、7年前の1997年10月、大日様縁日の日でした。それ以来、獅子舞と浦山にひかれて撮り続けています。最初の数年間は、10月の縁日と8月の川施餓鬼の模様を撮っていましたが、3年ほど前に獅子舞を伝承するための諸行事(年間10回位)があることを聞き、練習や虫干しの場面なども撮らせていただくようになりました。今では、浦山で暮らす人々の営みにも対象を広げています。
地元のみなさんには、いつもあたたかく迎えていただき感謝の気持でいっぱいです。浦山を妨れるたびに感じることは、自分たちの大切な祭りをしっかりと守っていこうという地元のみなさんの熱い思いです。古き良き伝統文化が失われつつある昨今、伝統を守る関係者のご労苦に敬意を表するとともに、これからも永く継承されることを願ってやみません。
去年撮影したばかりの自然豊かな所が、護岸工事などで一変している光景に接したとき、せめて、よき浦山を写真に残しておかなければと痛切に感じております。これからも人々とのふれあいを大切にしながら撮り続けたいと思っています。
2004年10月に、秩父市の上町街かどギャラリーで、「獅子舞の里−秩父・浦山」の写真展を開催します。一人でも多くの方のご来場を心よりお待ちしております。どうか、よろしくお願いします。
2004年8月                      小倉洋一

「夏の奉納」のBGMは、2004年8月に現地で録音したお囃子です。

ホームページ制作:K.Koga