白久の串人形

                 小倉洋一 プロフィール
 埼玉県富士見市在住

 写真歴
1994年 JRP主催「たのしい写真教室」受講
2003年 「創造ネット」創立に参加
 出版・写真展
2000年 写真集「秩父・民衆の祭り」(光陽印刷)自費出版
2002年 写真展「秩父・民衆の祭り」 秩父市・矢尾百貨店
2003年 写真展「秩父・浦山 獅子舞の里」 富士見市

                     作者のコメント
                          秩父を撮り続けて
 今年の秋、秩父事件を映画にした「草の乱」が上映されますが、私が秩父の写真を撮りはじめたのは8年前に秩父困民党の絵画展(根岸君夫氏・連作画「秩父事件」)を見てからです。闘いに立ち向かう民衆の姿から、その時代に直面して真剣に生きた人々の心意気に感動。その頃は、まだ仕事も現役でしたが秩父によく出かけました。そのうち行き交う人の会話や周りの風景があまりにも故郷の群馬そっくりでしたので、秩父は故郷のようなぬくもりの感じられる、懐かしい土地になってしまいました。秩父にはたくさんの祭りや行事があります。最初のうちは、いろいろなものを撮っていましたが、あまり観光化していない祭りや伝統芸能に、とくに魅力を感じるようになりました。そして、3年前の会社定年時に、これまでの作品をまとめて写真集を自費出版しました。
 今回、「創造ネット」ギャラリーに掲載されている「白久の串人形」は、1996年4月の定期公演にはじめて出かけ写真を撮らせていただきました。荒川村の豆草原公会堂の庭に咲く一本の枝垂れ桜の下で見たあの感動は、今でも忘れることができません。座員のみなさんの人間性と卓越した技で、小さな人形が生きた人間のように見える様はとてもすばらしいものです。幕末の頃から大事に継承されている串人形の全長は60cmで小さいものです。二本の竹串により手さばきがつけられる使い手で繰られ、これが串人形とよばれている所以です。また、二人で操作する全国的にも珍しい人形です。昨今、古き良き伝統文化が徐々に失しなわれようとしています。とても残念なことですが、せめて写真に残しておきたいと撮りつづけています。定期公演は年一回のみ。今年は4月18日(日)午後1時から3時です。秩父鉄道白久駅より徒歩で5分、豆草原公会堂です。是非おでかけください。お会いできるのを楽しみにしております。

                2004年3月                 小倉洋一

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