12.デジタル時代の写真とは?
デジタル時代だからこそ、オリジナリティの追求を 写真の世界でもデジタル化が進行しています。報道分野では、撮影枚数の制限がないこと、撮影後すぐに結果を確認できること、データの送りやすさなどの理由からデジタル一眼レフが主流になりました。広告写真の世界でも、写真家は素材を提供し、デザイナーやコンピューター技術者がそれをデジタル加工して、印刷物に仕上げるということが一般的に行なわれるようになっています。印刷やデザインの世界では、写真のオリジナリティより、加工しやすい素材となっているかどうかが、歓迎される側面があります。 デジタル加工して当たり前の時代が進行すればするほど、加工していないオリジナリティある写真は、創造的な作品として、いっそう存在価値が増してくるはずです。どんなにデジタル加工したところで、オリジナリティのない写真がいつまでも歓迎されるはずはありません。これから写真をやろうとする人は、デジタルの時代だからこそ、人まねでない、独創的な作品を創りだしてほしいと思います。 |
既成概念にとらわれず、自由な発想で写真創作を わたしたちの写真の好みというのも、これまでの人生でいろいろ見てきた写真に影響されています。真似する気もなく、自分の個性で撮ったつもりでも、案外これまでに見たことがある作品に似ていたりすることが少なくありません。常識的な範囲でどんなに美しいとか、すばらしいとか感じて撮っても、なかなか、ほんとうの個性や独創性は発揮されないのです。 常識や既成概念にこだわらない自由な発想で現実をとらえ、自分の個性(くせやこだわり)を発揮して写真創作にチャレンジしましょう。創作上の個性というのは、最初から備わっているわけではありません。創作上の個性は、自分で育てるものなのです。 |
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