オートフォーカスは万能ではない!マニュアルでのピント合わせも必要 オートフォーカスカメラは、確かに便利なカメラですが、オートフォーカスを使っているのに、けっこうピンぼけができてしまいますね。 これは、オートフォーカスの測距範囲が狭いために起きる失敗です。最近、一願レフは5カ所以上の測距点があるのが普通になってきましたが、まだ、画面の中央部分でしかピントを合わせられないカメラも少なくありません。測距点の少ないカメラは、撮りたい被写体が画面中央にないときでも、あくまで画面中央の被写体にピントを合わせるので、そのままでは肝心なところがピンぼけになります。 初心者の多くは、オートフォーカスを使ったのにピンぼけになって、自分が下手だからと思っている人が多いようですが、実はオートフォーカスが万能ではないというカメラ側の問題の方が多いのです。 最近の多点測距のオートフォーカスカメラはずいぶんよくなりましたが、被写体がどんな位置にあっても、作者がねらったところに自動的にピントを合わせてくれるカメラは、まだ存在しません。オートフォーカスカメラは、まだまだ、発展途上にあると考えた方がよいでしょう。したがって、被写体が画面中央からはずれるときなどには、マニュアルでのピント合わせが必要になります。多点測距のカメラも、周辺部の測距点はピント精度があまり高くはありません。 一眼レフの場合は、被写体が画面のどの位置にあっても、ピントグラス上で画像がはっきり見えるところにピントが合います。好きなところに被写体を入れて、距離をいろいろ変えながら、マニュアルでピントを合わせる練習をしましょう。 コンパクトカメラは、マニュアルでのピント合わせができないので、被写体を端に入れたら、ピンぼけになりやすいと思ってください。かといって、被写体をいつもど真ん中に入れるというのもワンパターンになってしまいますが。 |
フォーカスロック撮影はあまりおすすめできない カメラの説明書には、被写体が測距外にあるときは、フォーカスロックを使うようにと説明されています。フォーカスロックとは、いったん画面中央に被写体を入れてシャッターを半押しするとオートフォーカス機構が働き測距するので、シャッターを半押しにしたままにして測距を記憶させ、撮りたい位置に被写体が入るようにカメラを構え直して、シャッターを切るというやり方です。この方法では確かにピントは合いますが、そうこうしているうちにシャッターチャンスが逃げてしまいます。相手が動かないものの時は有効ですが、人物や動物の撮影にはおすすめできる方法ではありません。いくらピントが合っても、シャッターチャンスをつかまえられなければ、何にもなりませんから。 |
デジカメのピント合わせ 高級一願レフタイプを除き、デジカメはコントラスト検知によりピントを合わせます。そのため、合焦に時間がかかり、ピント精度も高くはありません。また、コントラストのない被写体や暗いときにピントを合わせられないという弱点もあります。シャッターのタイムラグが大きいのも問題です。タイムラグが小さいと宣伝しているカメラも、合焦後のタイムラグのことですから、カタログを鵜呑みにはできません。したがって、デジカメでピントもタイミングも合わせるには、シャッター半押しで前もってピントを合わせておいて、タイミングをねらって早めにシャッターを切るという方法で対処しましょう。 |
スナップ撮影では、目測でのピントを合わせが役に立つ 人物などのスナップ撮影では、オートフォーカスが被写体の動きに追従できなかったり、被写体が測距外に出てしまうことが多くて、ピンぼけが生じやすくなります。こういう場合は、絞りをある程度絞って、レンズの距離目盛を利用して目測でピントを合わせて撮ると結構ピントの合った写真が撮れます。 レンズに距離目盛がないとこの方法が使えませんので、レンズを買うときには、距離目盛のあるものを選ぶことをおすすめします。普段に目測で距離を測る練習をしておくと役に立ちます。残念ながらコンパクトカメラでは、マニュアルフォーカスがないので、この方法は使えません。 |
絞りをしぼるほどピントが深くなる カメラは絞りを絞るほど(絞りの数字が大きくなるほど)ピントの合う範囲(前後の奥行き)が深くなります。ピントの合う範囲を被写界深度といいますが、目測のピント合せというのは、この被写界深度を利用した撮影法なのです。 一眼レフでも、コンパクトカメラでも、動きのあるものをとるときは、ISO400の高感度フィルムを使うと、手ブレが防げるだけでなく、絞りが絞られるので、ピントも合いやすくなります。 |
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