廃船

                 柳澤春廣 プロフィール
 埼玉県川口市在住
 
 10年前から、写真を撮り続ける 

                    作者のコメント
  カメラは子どもの頃から縁がありました。今までは、子どもたちや郷土の祭り あるいは旅行などを主に撮影してきました。しかし、私のふるさとは関東平野のほぼ中心の埼玉県、海なし県です。海は子どもの頃から憧れていました。あの青一色の世界のなかで生活を築きあげたいくらいです。その海をモチーフにして撮り始めたのは、ちょうど10年前からです。それは、ある写真家の写真集「海で遊ぶ月日」をたまたま手にしたからです。それは海の風景、漁船、漁民の人々など、いろいろな場面がありました。この写真集に感動して以来、私も海のさまざまな場面を撮りました。そのモチーフのひとつが廃船です。これらの船は、日本の造船技術をいかんなく発揮して作られたそうです。また、船の点検も定期的に行われ、まだまだ充分に使用できそうでした。私が撮影した廃船の悲しい姿は、日本漁業の縮図だと思っています。国の漁業政策は、まだ充分に使える船を船団縮小のためといって、補助金を出してつぶしています。そんな話を聞いて、廃船の撮影をしていると、これからの漁業を考え、なんとも哀れに感じました。
                2004年3月                 柳澤春廣

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