ワンポイントアドバイス

8.どんなカメラを買えばよいのか?(デジタルカメラの場合)

画素数が多いほどよいカメラとは一概に言えない
 カメラの販売数で、デジタルカメラが銀塩フィルムを使う銀塩カメラを追い越すまでになりました。しかし、いざデジタルカメラを買おうとすると、あまりにも種類が多すぎて、どんなカメラを買えばよいのかよく分かりませんね。一般的に画素数の多いものが価格も高いので、画素数が多いほど上等なカメラだと思っている人が少なくないようですが、実は、そうとは一概に言えないのです。
 確かに数値上では画素数が多いほど解像度も高くなりますが、大きくする場合にせいぜいA4までしかプリントしない人にとっては、600万画素以上の解像度は無用の長物です。しかも、CCDサイズが小さいのに無理に高画素化したものは、カメラのレスポンスが悪くなったり、ノイズや偽色の発生などの問題が増え、しかも、カメラの価格も高くなるので、プラス面はほとんどありません。カメラのレスポンスや使い勝手、実用的な解像度、自然な発色、ノイズの少なさなどを総合的に判断して、カメラを選ぶようにしましょう。 
 もう少し具体的に、デジタルカメラを選ぶポイントを言うと
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1つ1つの画素サイズが大きいもの(画素数ではない)、A銀塩カメラにできない機能があるもの、B合焦速度が速くて精度が高いもの、Cシャッタータイムラグが小さく、連続撮影可能な枚数が多いもの(秒間3コマ、連続10コマ以上が望ましい)がよいと思います。
※最近、シャッタータイムラグが小さいことを売りにしているカメラが登場していますが、なかには連写が不得意なカメラがあるので要注意です。

 デジタルカメラの受光センサーであるCCDやCMOSは、1つ1つが赤、青、緑色を感じる画素でできています。この画素のサイズが大きいほど、ダイナミックレンジ(感じることのできる明暗の幅)が広く、ノイズが少ないので、深みのある色をとらえることができます。したがって、同じ画素数なら、受光センサーのサイズが大きいほど高性能ということができます。また、デジタルカメラは、受光した光をそのまま記録しているのではなく、演算処理して記録します。高級一眼レフを除き、一般的に画素数が多いほど、画像のデータ量が大きくなるので演算や記録に時間がかかり、秒間の連写間隔や連続撮影枚数などが低下します。このような理由で、画素数が多いのがよいとは一概に言えないのです。
 一方で、受光センサーが小さければ、カメラもレンズもコンパクトに、しかも安く作れるというメリットがあります。結局、この両者の兼ね合いで、大きめの受光センサーと適度な画素数のカメラを選ぶのがよいということになります。
お勧めカメラとは?
 受光センサーのサイズを比較すると次のようになります。
2.7分の1インチ(5.5×4.1ミリ)<1.8分の1インチ(7.4×5.5ミリ)<3分の2インチ(12×9ミリ)<APSサイズ(23.7×15.6ミリ)<35ミリフルサイズ(35.8×23.8ミリ)
一眼レフに使われているAPSサイズ以上の受光センサーは、コンパクトカメラのものとは別格の大きさです。
 画質優先に力点を置いて、価格と性能と使い勝手のバランスを考えるなら、コンパクトタイプなら1.8分の1インチの200〜400万画素CCDで、秒間3コマ以上、連続10コマ以上撮影できるカメラ、あるいは、3分2インチ500万画素の受光センサーを搭載するレポンスのよいカメラがお勧めです。3分の2インチ800万画素機は、ノイズ、レスポンス、感度の問題で、よほど条件がそろわないとせっかくの高解像を活かすことができないので、次の世代に期待した方がよいかもしれません。
 どうしても600万画素以上を望むなら、一眼レフがお勧めということになります。価格もだいぶ手頃になり、レスポンスで銀塩カメラを上回るようになりました。コンパクトカメラとは比べものにならない画質とレスポンスが魅力です。

 また、銀塩カメラにできない機能に力点を置けば、高倍率ズーム搭載のカメラやビデオカメラに匹敵する動画撮影ができるカメラが、あるいは、携帯性を重視すれば、2.7分の1や2.5分の1インチCCDを搭載する薄型カメラが選択肢に入ってくるでしょう。
 デジタルカメラの進歩が早いので、半年先には事情が変わっているかもしれませんが、ご参考まで。
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